安全に入浴してもらうポイント

体の状態を清潔に保つためには入浴をするのが一般的ですが、入浴の介助は利用者さんの体の状態に気が付く良い機会でもあります。怪我の有無や湿疹や褥瘡の有無など、普段見ることができないところの異常を発見しやすくなるので、注意して相手の状態を観察することが大切です。入浴するだけでも気分転換になり、加えて病気の予防にも繋がります。

ただし、入浴介助は事故につながりやすいという点は注意しておくべきでしょう。例えば、浴室はとても滑りやすい環境のため、転倒事故を起こして骨折させてしまったというという話が少なくありません。そんな事故を起こさないためにも、必要に応じて手すりを付けたり、マットを敷いたりして、対策をしておくことが重要です。

また、たとえ利用者さんが「入浴は一人でできる」と言ったとしても、長時間目を離すと事故につながる可能性があるので、なるべく寄り添うべきでしょう。それでも一人で入ると言われた場合は、事前にお湯の温度や床の状態を確認するなどの配慮が必要になります。

その他にも、入浴中の介護をする際には、声かけを忘れずに行うことが大切です。急にお湯をかけたり、シャワーをかけたりすると利用者さんはびっくりしてしまいます。体の不調につながる可能性がある上に、相手の機嫌も損ねてしまいます。そうなってしまうと、円滑な介助が行えなくなる可能性があるでしょう。急激な体温変化により体調不良を招いてしまった場合、責任問題に発展することもありえます。何かをする際には必ず声をかけることが最低限のマナーです。